六日目 ―ポータブルプレーヤー―




ちっぽけなキカイから、彼の声がきこえる。あぁ、なんて愛しい、声。

ただ一曲を、愛しいその声を、延々と聴き続けて、もう何日になるのだろうか。
何時間?何分?それよりも、もっと短い時間?もっともっと、ずっと長い時間?

分からない。
時というものの感覚が、狂ってしまった。そんな感覚を忘れてしまった。

彼がいなくなってから、世界の時は、一向に進んでくれない。




「なに聞いているの?」
その幼い子どもが何を言ったのか。最初は聞き取れなかった。
ただ、断片的に聞こえたその声が、あまりにも彼に似ていたから。

彼が居なくなってから初めて、あたしはイヤホンを外した。

「ねぇ、なにを聞いているの?」
無垢なココロの持ち主が再び問いかける。
「大切なひと」
あたしはブランコに腰掛けたまま、短く答えた。

「たいせつなひと、って、だぁーれ?」
「この中に、居るの」
そう言って、何故かあたしは微笑んだ。うまく笑えた気はしなかったけれど。

「そんなちっちゃいにんげん、いないよ、おねえちゃん?」
心底不思議そうな顔をして、その子が言う。
あたしの中で、何かが切れていくのが解る。

「じゃあ・・・・・・何処に居るのよ・・・!あたしの彼は、彼はね、焼かれてしまって、消えてしまって、」
そうだ、彼は、大きな鉄の塊の中で、焼かれて、燃えて、灰になって・・・

「あ、う・・・・・ごめんなさい・・・・・・
・・・・・・?おねえちゃん・・・?どうして泣いているの?」

泣いているの・・・・・・?
そうだ、あたしの彼はもういない。


カシャン、
ポータブルプレーヤーが、あたしの手から滑り落ちる。
黒衣に包まれたあの席で、この温かい液体が流れなかったのは何故だったのだろう。

――・・・・・・
イヤホンが外れて、何度も何度も繰り返し聴いたその曲が、大音量で流れ出した。
あふれ出した、あたしの涙とともに。

アーティスト志望の彼からあたしへの、些細で精一杯なラブソング。
最初で最後の、唯一無二の贈り物。

――アイシテル ダレヨリモナニヨリモ、コンナニキミヲ。

あぁ、あたしだって、こんなにあなたを愛してる。

歌の中の二人が、結局どうなったのかは知らない。
『これから作ってくんだよ、二人で』
とかなんとか言われてあたしは、甘い甘すぎる、なんて叫んで爆笑してたのを覚えてる。


「作れなかったじゃんか・・・。口ばっかりで」
呟いたのとほぼ同時に、その子が言った。

「このおうた、楽しいね。だいすき!」


「・・・そっか、はは・・・素敵な曲でしょ?あたしも、」
ダイスキ。そう言って作り出した本日二度目の笑顔は、さっきよりもうまくいった、気がした。


彼のいなくなった世界の時が、ようやく進み始めた。
あたしは地面に落ちたポータブルプレーヤーを拾って、エンドレス・リピートの設定を解除した。

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なんだこれ。矛盾多いねハイごめんなさい。
突っ込まないで下さいごめんなさいごめんなさい。

実は僕こんなのしか書けません。
ドロ甘とか中途半端に甘いのとか悲恋とか痛いのとか、
とにかく恋愛か死ネタが9割は占めてます。(・・・


てかどーしましょこのままいくと一週間遅rげふんげふん。
頑張りますよ自己満ですけどねにこ!(言っちゃった・・・。


10/01 所々修正。駄文には変わりなし。(ぁ






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