7日目 ―電車―




―お前なんか、ただの移動手段のクセに。



そんな意味不明な八つ当たりは誰に聞かれるでもなく、通り過ぎる電車の轟音に掻き消された。








・・・・また、やってしまった。

せっかく久々に二人きりでいられる機会だったのに・・・。あたしが駄目にした。
あんなくだらない事で喧嘩してしまうなんて、我ながら呆れる。


「もういっそ、死んじゃおうかなぁ‥‥」

白い線の手前の、黄色いブロックに足を運んでみた。


あぁ、どうした。あたし。
こんな事で挫けちゃ駄目、明るく前向きに生きるのよ。

―でもあいつと別れるとかなったら・・・・・死ぬかも。あたし。


ふと、視界がぐらついた。

「わ」
落ちる。咄嗟にそう思った。
遠くの方で、さっきと似たような轟音が響いているのが分かる。

あれ、あたしコレ、もしかしなくてもヤバいよな?


あーやっぱ、謝っときゃよかったかなぁ…―



麻痺していく思考のなかで、ゆっくり目を閉じた。

バイバイ、現世。









轟音が近づいて、誰かの悲鳴が聞こえて、それで、




「おま、美貴!何してんだよ!」
不意に聞き慣れた声がして、伸びてきた手があたしの腕を掴んだ。

天国?それとも走馬灯か何か?
あいつがこんな所にいて、あたしを助けて、なんてそんな・・・

「ボケボケしてんなよ馬鹿じゃねーのお前もーちょいで死ぬトコだぞこのボケが!」

‥‥‥‥‥‥‥‥。

あ い つ だ 間違いない。
この大っ嫌いな喋り方。

さっき喧嘩してしまったばかりの相手で、
最後の最後に顔が浮かんだ相手。


「何、してんのこんな所で」
「こっちのセリフだっての・・・・・・
 俺はお前が落ちそうだったのをわざわざ助けてやったんだけど・・・何か言うことは?」
「押し付けがましいんだよハゲ。もう・・・あのまま、落ちちゃえばよかった」


そしたらあなたは悲しんでくれる?


そんな事を、つい、ぽつりと漏らしてしまった。
しまった、と思ったけれど時既に遅し。
笑われるか怒鳴られるかを予想して身構えた。
なのにいつまでたっても聞こえてこない声を訝しんで顔を上げると、

あいつは今にも泣きそうな目であたしを見ていた。


「‥‥・・え、どうし「俺は」


「悲しまないよ。
 だってその瞬間、俺も死ぬと思うし」
ぽつり、ぽつりと、でも力強く言葉を紡いでいく。

「お前さ、死ぬとか、死にたいとか、言うなよ、頼むから。
 お前が死んだら、俺も死ぬ。だから死ぬな」


・・・・いや意味不明だし、死ぬ死ぬ言いすぎだし。不吉。

そう、いつもなら笑って言える筈なのに。
今日のあたしはおかしい。




「分かった!分かったよ!ハイもうお前ん家行って飲みなおしー!!」
集まってきた野次馬っぽい人々から、なるべく顔を背けるようにして叫んだ。

「ちょ、は?何だよホント意味分かんねぇなお前!」
さっきまでのシリアスな空気を吹っ飛ばすように、あいつは笑う。
あたしもちょっとすっきりした、かも。





「あのさー」
「何だよ?」


「 っき ・・・・・・      !」



「・・・・・・・・・・聞こえない」



あぁ、もう・・・・・ただの移動手段のクセに!

あたしのなけなしの勇気を、ことごとく台無しにしやがって・・・・・・!!







「なんでもなーい!もう言ってやんないっ!」

せめて、あいつに八つ当たり。






ごめんなさい、だなんて・・・口が裂けても言ってやるもんか!










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あぁぁぁやっっっっっっっと書き終わっ・・・・・・た・・・・・!
長かった・・・・ついでに文自体も長かった・・・・・・OTL

あ、最後のほう意味不明ですね。
なんかもう力尽きました。長いやコレ。

中途半端な長さってまとまり無くてアレですね。
SSが一番好き!名前も出ないくらいの超短いヤツ。
んでもって長編書ける人に超絶憧れますね。

長編書いてみたいなぁ・・・・


・・・・・・・・にしてもコレマジ長いよ!(しつこいよ彩風さん






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